学習内容 |
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売上時の処理
商品を売り上げたら「売上」という勘定科目で処理します。
売上は収益なので、増えたら貸方、減ったら借方に記入します。
掛けで売り上げた場合、あとで代金を受け取る権利が生じます。
この権利は「売掛金」で処理します。
売掛金は資産なので、増えたら借方、減ったら貸方に記入します。
売上諸掛り
商品を売るときにかかる運送料などを「売上諸掛り」といいます。
売上諸掛りの処理は、それが当店負担なのか先方負担なのかで異なります。
売上諸掛りが当店負担の場合
当店負担の場合、「発送費」で処理します。
発送費は発送にかかる運賃のことです。
発送費は費用であり、増えたら借方、減ったら貸方に記入します。
売上諸掛りが先方負担の場合
一方、先方が負担すべき売上諸掛りを当店が立て替えた場合、立替金で処理するか、または売掛金に含めて処理します。
なお、先方負担のケースでどちらの処理を行うかは、試験の問題で与えられる勘定科目一覧で判断します。
勘定科目一覧に「立替金」がなければ、売掛金に含めて処理すると判断してください。
仕訳の確認
事例を使って処理を確認しましょう。
【例3-5】を見てください。
【例3-5】
商品100円を売り上げ、代金は掛けとした。なお、発送運賃10円を現金で支払った。
発送運賃という売上諸掛りを支払っていますが、これが当店負担である場合と先方負担である場合とで分けて処理をみてみましょう。
売上諸掛りが当店負担の場合
商品100円を売り上げているので売上で処理します。
売上は収益なので、増えたら貸方に記入です。
また、代金は掛けとしているので、あとで代金を受け取る権利をあらわす売掛金で処理します。
売掛金は資産なので、増えたら借方に記入です。
そして発送運賃ですが、当店負担の場合は発送費で処理します。
発送費は費用なので、増えたら借方に記入です。
また、発送運賃は現金で支払っているので、現金を減らす処理をします。
現金は資産なので、減ったら貸方に記入です。
売上諸掛りが先方負担の場合
先方負担の場合は、立替金で処理するか、または売掛金に含めて処理します。
なので、仕訳も2パターンあります。
上の仕訳が立替金として処理した仕訳です。
先方が負担すべき運賃を当店が立て替えてあげたわけですから、立て替えた分のお金をあとで返してもらえるわけです。
立替金は資産なので、増えたら借方に記入です。
そして下の仕訳が、売掛金に含めて処理した仕訳です。
先方が負担すべき運賃を当店が負担してあげた分だけ、後でお金をもらう権利である売掛金の金額を増やしているわけです。
他の仕訳の売掛金の金額よりも10円多いことが確認できます。
返品・値引時の処理
いったん売り上げた商品が返品されることを「売上戻り」といいます。
また、商品の代金をまける(下げる)ことを「売上値引き」といいます。
売上戻りや売上値引きがあったときは、返品または値引きの分だけ、売り上げたときの仕訳を取り消す処理をします。
考え方は、商品の仕入で学習した返品や値引きと同じです。
仕訳の確認
事例を使って確認しましょう。
売上戻り(返品)の処理
【例3-6】を見てください。
【例3-6】
掛けで売り上げた商品100円のうち、30円分が品違いにより返品された。
売り上げたときの仕訳は、借方が売掛金100円、貸方が売上100円です。
返品されたときは、売り上げたときの仕訳を取り消す処理をします。
取り消すには、逆の仕訳をすればOKです。
つまり、売掛金を貸方に、売上を借方に記入します。
返品されたのは30円分なので、仕訳の金額は30円となります。
売上値引きの処理
【例3-7】を見てください。
【例3-7】
掛けで売り上げた商品100円の一部に傷があったため、30円の値引きを行った。
仕訳を見てもらうとわかりますが、返品と値引きの処理は同じです。
売掛金回収時の処理
売掛金を回収したときは、あとで代金を受け取る権利がなくなるので、売掛金を減らす処理をします。
仕訳の確認
【例3-8】を見てください。
【例3-8】
売掛金70円を現金で回収した。
売掛金は資産なので、減ったら貸方に記入します。
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