学習内容 |
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資本の元入れ
資本の元入れとは、お店を開業するときに、店主が自分のお金をお店に出資することです。
資本の元入れをしたときは、資本金の増加として処理します。
資本金は純資産なので、増えたら借方に記入します。
仕訳の確認
事例を使って確認しましょう。
【例8-1】を見てください。
【例8-1】
お店の開業にあたり、現金¥300を元入れした。
元入れをしたことで、資本金が増えます。
資本金は純資産なので、増えたら貸方に記入です。
資本の引出し
資本の引出しとは、店主が私用でお店の現金や商品を使うことです。
引出時の処理
資本を引き出したときの処理方法は2通りあります。
資本金で処理する方法と、引出金で処理する方法です。
資本金で処理する場合、資本金の減少として処理します。
資本金は純資産なので、減ったら借方に記入です。
一方、引出金で処理する場合、引出金を借方に記入します。
引出金は、資本金のマイナスを表す勘定科目です。
仕訳の確認
事例を使って確認しましょう。
【例8-2】を見てください。
【例8-2】
店主の個人負担分の保険料を支払うため、現金¥100を引き出した。
資本金で処理する場合は、資本金を借方に記入します。
そして、引出金で処理する場合は、引出金を借方に記入します。
引出金返済時の処理
引き出した現金をお店に返したときの処理を確認します。
これは引き出したときの逆の処理になります。
引き出したときに資本金の減少として処理していた場合、返したときは資本金の増加として処理します。資本金は純資産なので、増えたら貸方に記入です。
一方、引き出したときに引出金で処理していた場合、返したときは引出金を取り消す処理をします。
仕訳の確認
事例を使って確認しましょう。
【例8-3】を見てください。
【例8-3】(【例8-2】のつづき)
店主がかねてお店から引き出していた現金¥100のうち、¥50を現金で返した。
・資本金で処理するケース
・引出金で処理するケース
仕訳を見ていただくとわかるとおり、引き出したときと逆の処理になります。
決算日の処理
ここまで、資本の引出しに関する処理として2つの方法を確認しました。
このうち、引出金で処理する方法の場合、決算日に追加で処理が必要となりますので、確認しましょう。
資本金で処理する方法の場合は、決算日に何も処理しません。
資本を引き出したときに引出金で処理している場合は、決算日に引出金から資本金に振り替える処理をします。
仕訳の確認
事例を使って確認しましょう。
【例8-4】を見てください。
【例8-4】(【例8-3】のつづき)
決算日において引出金の残高¥50を資本金に振り替える。
引出金は借方に残っていますので、これを資本金に振り替えるために貸方に記入します。
そして、資本金を借方に記入します。
引出金は資本金のマイナスを表す勘定科目でした。
決算日に引出金の残高を資本金に振り替えることで、資本金を減らす処理を行うわけです。
税金の処理
税金には「費用になる税金」と「費用にならない税金」があります。
費用になる税金は、固定資産税、印紙税、自動車税などのうち、事業にかかる分です。
これらは租税公課という勘定科目で処理します。
租税公課は費用なので、借方に記入します。
事業にかからない分については、資本の引出しとして処理します。
費用にならない税金には、店主個人の所得税や住民税などがあります。
これらは資本の引出しとして処理します。
仕訳の確認
事例を使って確認しましょう。
【例8-5】を見てください。
【例8-5】
店舗兼自宅建物にかかる固定資産税¥100を現金で支払った。なお、この税金のうちの4割は家計の負担分である。
固定資産税100円のうち、4割の40円については、個人的な負担分であり、事業にかからない分なので、資本の引出しとして処理します。
資本の引出しの処理はさきほど確認した通りです。
そして、残りの60円については費用になる税金なので、租税公課で処理します。
租税公課は費用なので、増えたら借方に記入です。
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