第146回(6月11日実施)、日商簿記検定2級を受験されたみなさま、本当にお疲れ様でした!
いかがでしたでしょうか。
これまでの勉強の成果を発揮し、合格を確信されている方もいれば、思わぬミスをしてしまい途方にくれている方など、さまざまかと思います。
この記事で今回の試験を振り返っていただき、その後はしばらく試験のことは忘れてゆっくりされるのもよいのではないでしょうか。
それでは、第146回日商簿記検定2級の解答・解説をしていきましょう。
第146回日商簿記検定2級の試験問題と解答・解説
オススメの解答順序と時間配分の目安
配点 | 解答順序 | 時間配分 | |
第1問 | 20点 | 1 | 15分 |
第2問 | 20点 | 2 | 20分 |
第3問 | 20点 | 3 | 35分 |
第4問 | 20点 | 4 | 20分 |
第5問 | 20点 | 5 | 20分 |
見直し | ― | 6 | 10分 |
合計 | 100点 | ― | 120分 |
どの問題も基本的な内容が多かったため、第1問から順に解答してOKだったと思います。
第1問 仕訳問題(配点20点)
すべてテキストレベルの基本的な問題でした。
4問は確実に正解しておきたいところです。
問1 クレジット売掛金
(借)クレジット売掛金196,000
(借)支払手数料4,000
(貸)売上200,000
問2 研究開発費
(借)研究開発費5,300,000
(貸)当座預金5,300,000
問3 固定資産の圧縮記帳
(借)固定資産圧縮損400,000
(貸)備品400,000
問4 新株発行(会社設立時)
(借)普通預金2,500,000
(貸)資本金2,000,000
(貸)資本準備金500,000
問5 消費税
(借)仮受消費税830,000
(貸)仮払消費税360,000
(貸)未払消費税470,000
第2問 銀行勘定調整表(配点20点)
問1・問2
下書用紙に銀行勘定調整表(両者区分調整法)を書いて解きます。
ただし、答案用紙の銀行勘定調整表は「銀行残高基準法」であることに注意してください。
①未取付小切手です。会社側では小切手振出時に当座預金の残高を減らしていますが、仕入先が未だ銀行に呈示していない状態です。
⇒銀行側の残高を減らすことで調整します。
②当座預金の増加として処理していた他店振出小切手が未だ手許に残っている状態です。
⇒会社側の残高を減らすことで調整します。
③会社側で電子記録債権の入金処理が未処理である状態です。
⇒会社側の残高を増やすことで調整します。
④時間外預入です。会社側では預け入れた時点で当座預金の残高を増やしていますが、銀行側では翌営業日に処理が行われるため残高に不一致が生じている状態です。
⇒銀行側の残高を増やすことで調整します。
~問1の解答~
銀行残高 (328,200)
加算[ ② ] ( 16,000)
[ ④ ] ( 44,500) ( 60,500)
減算[ ① ] ( 32,000)
[ ③ ] ( 23,000) ( 55,000)
会社残高 (333,700)
~問2の解答~
①仕訳なし
②(借)現金16,000(貸)当座預金16,000
③(借)当座預金23,000(貸)電子記録債権23,000
④仕訳なし
問3
現金:121,200+16,000+7,500+10,000=154,700
当座預金:340,700
第3問 精算表(配点20点)
ボリュームはありますが、基本的な内容が多かったため、しっかりと得点したいところです。
未処理事項1
(借)貸倒損失30,000
(貸)売掛金30,000
未処理事項2
(借)修繕費40,000
(借)建物120,000
(貸)建設仮勘定160,000
未処理事項3
(借)水道光熱費3,000
(貸)当座預金3,000
未処理事項4
(借)退職給付引当金30,000
(貸)仮払金30,000
決算整理事項1
(借)売上原価308,000
(貸)繰越商品308,000
(借)売上原価2,070,000
(貸)仕入2,070,000
(借)繰越商品272,200
(貸)売上原価272,200
(借)棚卸減耗損13,200
(借)商品評価損9,500
(貸)繰越商品22,700
決算整理事項2
(借)貸倒引当金繰入260
(貸)貸倒引当金260
決算整理事項3
(借)減価償却費95,840
(貸)建物減価償却累計額28,000
(貸)備品減価償却累計額67,840
決算整理事項4
(借)満期保有目的債券1,000
(貸)有価証券利息1,000
決算整理事項5
(借)為替差損益1,000
(貸)買掛金1,000
決算整理事項6
(借)退職給付費用50,000
(貸)退職給付引当金50,000
決算整理事項7
(借)前払保険料8,000
(貸)保険料8,000
第4問 標準原価計算(配点20点)
シングルプランの問題です。
非常に簡単な問題ですので、満点をとりたいところです。
問1 仕訳
(借)材料420,000
(貸)買掛金420,000
問2 勘定記入
~仕掛品勘定~
・月初有高:200個×@280円+100個×@240円=80,000円
・材料:1,250個×2㎡×@140円=350,000円
・加工費:1,200個×4時間×@60円=288,000円
・製品:1,200個×@520円=624,000円
月末有高:250個×@280円+100個×@240円=94,000円
~材料勘定~
・買掛金:420,000円
・仕掛品:350,000円
・価格差異:26,000円
・数量差異:14,000円
・月末有高:200㎡×@150円=30,000円
第5問 総合原価計算(配点20点)
単純総合原価計算の問題です。
テキストレベルで非常に簡単ですので、満点をとらないといけません。
問1 総合原価計算表
~月末仕掛品~
・材料:6,240,000円÷2,600個×600個=1,440,000円
・加工:9,750,000円÷2,500個×300個=1,170,000円
・合計:1,440,000円+1,170,000円=2,610,000円
~完成品~
・材料:1,019,000円+6,240,000円-1,440,000円=5,819,000円
・加工:850,000円+9,750,000円-1,170,000円=9,430,000円
・合計:5,819,000円+9,430,000円=15,249,000円
問2
完成品単位原価:15,249,000円÷2,300個=@6,630円
当月の売上原価:18,048,000円
予想合格率と総評
合格率は35%前後と予想します。
全体的に基本的な問題が大部分を占めており、近年稀に見る易しい本試験でした。
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